認定インストラクター・活動方針と事例集

発達を支える土台は「家庭」と「園」にある ~ 村木南海子さん

作成者: naik|Aug 5, 2026, 4:05:07 AM

私は、長崎で認定こども園を経営しています。当園は1980年に、父が託児所としてスタートしました。時代の変遷と共に子育ての環境や価値観が変わり、園の体制もかなり変わりました。創業当時は一時預かり特化型の「ベビーランド」でしたが、現在は0歳から就学前までをお預かりする認定こども園として歩んでおります。

近年の目まぐるしい社会変化を受け、保育業界も様々な課題に直面しています。なかでも幼児期に療育に通う子どもが急増している事や、その先の小・中学生の不登校数も過去最多を更新し続けている状況は、私たちが向き合っていかなければならない最優先的課題です。

実際に当園も、療育に通う子が増え続けています。また、乳幼児健診においても、”なぜ、この子が?” と、いう子まで、 ”発達が気になる” と、いわれ、園に相談に来られます。地域に目を向ければ、少子化で保育所は減少しているにもかかわらず、療育施設は急増しているという歪な現状があります。

『何かがおかしい‥』

 認定こども園としては、発達支援が必要だと言われた世帯には施設を紹介する責任があります。これまでも必要に応じて繋いできました。ただ、確かに丁寧に関わっていただいているなぁ‥と感じられる成長はありますが、園生活だけでも十分だと感じるケースもあります。

むしろ、習い事のように療育に行って園に帰ってくることで、お友達や職員と関わる時間や機会が減少し、一体感に影響が出ている気がします。

また、明らかに当園と療育施設の職員さんの方が、親以上に子供に関わっていると感じることもあります。例えば、療育施設の方が園へ送迎をされたり、園と療育施設側との情報交換の内容が、親にはデータとして配信されるシステムであったり‥、保護者の負担を考えての事だとも思いますが、保護者がこんな間接的な立場で良いのだろうか‥と疑問でした。

ただ、私自身、発達支援の知識がなかったので、療育施設には私たちができないような専門的なプログラムがあり、支援が必要な子はそこに通って治してもらうものだと思っていました。まさに専門家任せというか、専門家にしかできない事だという認識です。

 

そんな折、私の妹に赤ちゃんが誕生しました。ベビーマッサージを伝えたくて、かつて自分自身の育児のために学んだ「育児セラピスト」の資料を数年ぶりに手に取りました。

ページをめくるうちに、当時の記憶が鮮烈に蘇ってきました。受講後、胸の奥が熱くなり、子育ての不安から救われたようなあの感覚……。 その瞬間、今の私が抱えていた『何かがおかしい‥』というモヤモヤが、スッと晴れていくのを感じました。

”すべては、このアタッチメントだ!”

この再会は、まさに必然だったのかもしれません。 (社)日本アタッチメント育児協会のサイトを訪ねました。そこで目にした「発達支援療育アドバイザー資格養成講座」 、  

「これだ!」 光が見えた瞬間でした。

 受講中は、まさに共感と納得の連続でした。特に「アタッチメント」を土台とした発達支援の考え方は、私が感じていた『何かがおかしい‥』という違和感への明確な答えとなりました。

そして、「療育に通えば治る」という誤解を解き、健常児と同様に、療育の一番の現場は「家庭」であること。そして、第2の家庭である「園」の理解と環境設定こそが、子どもの可能性を引き出す鍵であることを再認識しました。

 現在、園では「育児セラピスト」の学びを職員研修に導入し、現場での実践と振り返りを繰り返しています。すでに目に見える好反応が出始めています。

今後は本講座で得た知識を加え、職員がより自信を持って子どもたちに向き合える体制を整え、同時に親御さんへの勇気づけや日常生活に密着した身近な支援を行っていきたいです。

乳幼児期という、可愛らしく可能性に満ちた時期はあっという間です。不安や育てにくさを感じながら過ごすのは、本当にもったいない! ‥最近は、授乳をしながらスマホでゲームをしていたり、乳幼児がスマホで動画を長時間視聴していたり、公園では親がスマホ‥、社会的に当たり前の場面になっていますが、だからこそ意識して “アタッチメント!” を、子育てのパートナーとして伝えていき、日々の成長を共に喜び合える関係性を大事にしていきたいと思います。

“発達を支える土台は、どこか遠くの施設にあるのではなく、日々の暮らしを営む『家庭』と、第2の家庭である『園』の中にこそある”

講座の中で“アタッチメントは、どのような文脈でも、子どもに良く影響する”ということを学び、どんな訓練よりも優先されるべき「最高の発達支援」であると確信しました。

この視点を地域の子育て支援としても発信し、誰もが元気に子育てを楽しめる社会づくりに貢献したいと強く思います。それこそが子どもにとって一番幸せで、とっても良いことだと思います。本当に素晴らしい講座を、ありがとうございました。

この事例で活用されている講座

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